保育士のやりがいは…
保育士のやりがいと言えばなんと言っても、がんばった分だけ子ども達の笑顔をたくさん見ることができる、ということです。
これって簡単そうなことで実はすごく難しいことなんじゃないかなと思っています。
子どもはそれぞれ好きなことや何を楽しいと感じるのかも異なりますし、一人で遊ぶのが好きな子もいれば大勢ではしゃぐ方が好きな子まで、十人十色だからです。
そうしたさまざまなタイプの子ども達がいるという環境の中で、全員を楽しませるというのはすごく難しいことなんじゃないかと思うわけです。
実際、僕が甥っ子と遊んでいる時にすごく喜んでくれた遊びを他の子にやってみると、全然面白くなさそうにしていることもありました。
共通して、どんな子でも大体喜んでくれることというのはありますが、子どもっていうのは単純なようでいて結構複雑なんだなぁと、この時に痛感しました。
うちの保育園にもちょっと難しい子がいるんですけど、その子の場合は人見知りがちょっとあって、みんなの輪の中になかなか入ろうとしてくれないこととかよくありました。
みんなと遊んだ方が楽しいよって言ってみたり、僕自身も一緒に遊んでみたりと色々と試してはみたんですが、なかなかうまくいきませんでした。
全員が全員、みんなで遊ぶのが好きというわけではないですし、一人で遊ぶのが好きというのは悪いことではないかもしれません。
でも、将来社会に出た時に、集団行動が苦手になってしまって辛い思いをすることになってしまうかもしれない、とか考えると、みんなの輪の中に入って遊ぶということも覚えた方が良いと思うんです。
保育園の生活だけで将来の子どもの成長に大きく影響が及ぶということはないかもしれませんが、やはりせっかく集団でいるわけですから、その集団でできることをやれるようにした方がいいわけです。
他の先生達も、どうしたら良いのだろうとずっと頭を悩ませていたのですが、そこで園長先生が来てくれました。
園長先生はずっと長いことこの保育園で働いている方で、子どものことを知り尽くしているので、すごく心強い方です。
そこでアドバイス通りに通りに
まずはその子と一対一で話をしていました。
最初のうちはムスッとした態度だったその子がだんだん柔らかい顔になっていき、何か納得するような表情に変わっていくのが見ていてわかりました。
次の日になって様子を見てみると、いつもは一人でずっと遊んでいて他の子とは一切関わりを持とうとしていなかったその子が、周りを見ながら輪の中に入ろうか悩んでいる姿を見ることができたのです。
この時は園長先生ってやっぱりすごいんだなと感心してしまいました。
もちろん、すぐに輪の中に入れるということはないので、そこは僕を含め先生達と協力しながら少しずつ溶け込めるようにしていきました。
そして今では自分から輪の中に入っていけるまでに成長しています。
こうやって変化していく姿を見ると、すごく嬉しい気持ちになりますし、こういう時にとくにやりがいを感じることができます。
まだまだ悩みは尽きませんが、子ども達の成長を楽しみながら自分もしっかり成長していけたらいいなって思います。